バスケットボールの第15回男子世界選手権は最終日の3日、さいたまスーパーアリーナで決勝と7位決定戦を行った。欧州勢同士の顔合わせとなった決勝では、欧州選手権4位のスペイン(B組1位)が、ナバーロ、ガルバホサの活躍などで序盤からギリシャ(C組1位)を圧倒。前半で20点差をつけると、後半も攻撃の手を緩めず、70―47で大勝し、9回目の出場で悲願の初優勝を果たした。スペインは08年の北京五輪の出場権を獲得した。
7位決定戦ではリトアニア(C組3位)が、ドイツ(B組2位)を降した。
◇欧州の威力を世界に…スペインの見事な総力戦
試合時間を2分残してのタイムアウトで、スペインの選手たちは早くも互いに抱き合い、喜びを分かち合っていた。23点もの大差での圧勝。完ぺきな戦いで、スペインが初の頂点に立った。
覚悟が求められた決勝だった。攻守の要を担うP・ガソルが準決勝のアルゼンチン戦で左足小指を骨折。エルナンデス監督は「12人が11人になっただけ。全力を尽くすことには変わりない」と強がったが、大黒柱の穴を埋めるには、全員が限界に近い力を出すことが求められた。
だが、スペインはその覚悟を形にしてみせた。守りでは2人、時には3人がかりで激しくプレッシャーをかけ、ギリシャをゴールに寄せ付けない。第2クオーターは、相手にインサイドでのシュートを1本も決めさせない厳しさだった。
攻撃では大胆にボールを回して相手をほんろう。内からレジェスやヒメネス、外からはガルバホサと、これまで目立たなかった選手が自在に決めた。ベンチではP・ガソルが大声で激励する。前半だけで43―23と大きくリード。まさに全員が全力を尽くし、頂点への流れを築いた。
◇スペイン、ギリシャに「目には目を」
スペインが負ける理由は最後まで見つからなかった。第4クオーター、試合の残り時間を告げる時計は、20点以上のリードに守られたスペインにとっては、歓喜の瞬間へのカウントダウンでしかなかった。
堅い防御で勝ち上がってきた欧州王者・ギリシャに対し、取った作戦は「目には目を」。ゴール下では2、3人がかりで相手をつぶしにかかるなど、開始直後から重圧をかけてシュートミスを誘う。相手のお株を奪う防御で、平均50%を超えていたギリシャのシュート成功率を33%まで引き下げ、流れをつかんだ。
攻撃では、ナバーロ、ガルバホサが2人で40得点の活躍。攻守の要P・ガソルを負傷で欠いたが、代役のレジェスが2けた得点、弟のM・ガソルはリバウンドやゴール下の防御で奮闘と、層の厚さも披露。「僕がいなかったことが、精神的な支えになったかもしれない。みんなアグレッシブだった」とP・ガソル。大黒柱の欠場は、不安要素になるどころか、逆に闘志に火をつけた。
主軸を欠き、形勢不利との前評判を覆す大勝に、「可能性を信じる大切さを証明してくれた」とエルナンデス監督。ユースで世界を席巻したメンバーたちが、20歳代半ばとピークを迎え、世界の頂点に立った。ファンの目は米国のNBAに向けられがちだが、国際舞台では、弱点すら見つからない“無敵艦隊”の時代がしばらく続きそうだ。【
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